2014 HESS特別講演会
      「再生可能エネルギー技術・活用の現状と今後」
     2014年9月3日(水) 東京大学 武田先端知ビル 5階大ホール

13:10〜13:40 
  
 「再生可能エネルギー総括」
    東京工業大学 特命教授/東京都市大学 教授 柏木孝夫氏 

 新しい日本のエネルギー基本計画が閣議決定され、現在ベストミックスの議論が始められた。基本計画では政策上今後最大限支援すべき一次エネルギーとして再生可能エネルギーが位置付けられ、固定価格買取制度によりメガソーラなど急激な延びを示している。2020年を見据え再生可能エネルギー普及に対し解決すべき課題を明確にすると共に今後を展望する。

13:40〜14:15 
    「太陽光発電の現状と将来」
    東京工業大学 特任教授 黒川浩助氏

 2012年7月以来,わが国の再生可能エネルギー導入政策は,固定価格買取制度の 施行を契機として,大きな転換期を迎えた(最新データの一部紹介)。これに伴 い太陽光発電分野では急速な市場の伸びを記録しつつあるが,言わば「独り勝ち」 の状況になっており,再生可能エネルギー全体の調和ある発展ために,いかに新 しいエネルギーシステム構築を体系化・統合化していくかという観点が不可欠と 考える。本講演で一つの考え方を提示したい。

14:15〜14:50  
   「風力発電の現状と将来」
    東京大学 教授 石原孟氏 

 わが国の陸上風力発電設備容量は世界の風力発電設備容量の3億1811万kWの1%にも満たないが、海に目を向ければ、そのポテンシャルは15億7262万kWに達する。わが国の排他的経 済水域は世界6位であり、近年洋上風力発電における研究開発は急速に進展している。昨年、わが国の4つの海域において洋上風力発電所が完成し、世界初の浮体式洋上ウィンドファームも福島県の沖合で発電を開始した。今後大規模な開発が期待される洋上風力発電の現状および課題について、欧州の開発事例とわが国の実証研究を通じて紹介すると共に、風力発電の将来を展望する。  
14:50〜15:25  
   「バイオマスエネルギー利用の現状と将来」
    広島大学 大学院工学研究院 教授 松村幸彦氏

 バイオマスは、燃料・原料として利用することができる生物起源の有機物と定義でき、脱水系、乾燥系あるいは廃棄物系、未利用系、生産系などに分類される。地球温暖化防止、資源枯渇の観点から導入が進められている。日本では、RPS、バイオエタノール、FITなどの枠組みを使われている。バイオマスの資源量、バイオマス生産に利用できる土地の広さから、無限に導入されるということは考えにくいが、今後とも化石燃料代替のエネルギー資源としての使用が求められている。

(休憩15:25〜15:40)

15:40〜16:15  
   「地熱エネルギー利用の現状と将来」
    弘前大学 北日本新エネルギー研究所 
    所長・教授 村岡洋文氏 

 地熱発電は自然エネルギーの中で数少ない安定電源であり、我が国は世界第三位の地熱資源大国であることから、我が国の地熱発電が伸びない理由は考えにくい。しかし、現実には、我が国の地熱発電開発市場は15年間以上も停滞し続け、国際的に孤立していた。その理由は“岩盤規制”と27,219個もの既存温泉との立地の競合にあったと言ってよい。東日本大震災後、久しぶりに地熱発電市場が復活しつつある。この復活は過去の轍を踏まないよう、大切に育てたい。

16:15〜16:50   
   「波力、潮力発電の現状と将来」
    九州大学 水素材料先端科学研究センター 
    特任教授 門出政則氏 

 第1次オイルショック以降、再生エネルギーが国際的に注目され、その 再生エネルギー源の1つである海洋エネルギーの中で波力と潮流エネルギーに注目して、諸外国及び日本での過去約40年 間の研究・開発活動を概観する。また、それらのエネルギーの賦存量やエネルギーの変換方式とその効率などについて説明し、将来に向けての展望について解説する。

16:50〜17:25    
   「CCS技術の現状と将来」
    日本CCS調査株式会社 苫小牧建設部 
    取締役 苫小牧建設部長 澤田嘉弘氏

 はじめにCCSの仕組みを紹介し、地下深部の帯水層にCO2を貯留するものであることを説明した。次に世界における実用化段階にあるCCSプロジェクト例を紹介した。ノルウェーが先行している。続いて日本におけるこれまでのCO2圧入プロジェクト及び現在建設中の苫小牧CCS大規模実証試験の計画を紹介した。2016年から3年間、苫小牧の海底地下深部の帯水層にCO2を圧入する計画である。最後にCCS実用化のための課題をまとめた。貯留適地調査、法制の検討、コスト削減が必要である。